「せばな」は言わない

綱の上を歩き、岩を登るエンジニア

横道世之介

19冊目 著者:吉田修一 出版社:文藝春秋 横道世之介 (文春文庫) あらすじ: 大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。 感想: これは昨年(2012年)に読んだ作品です。 世之介という名前は、井原西鶴の好色一代男に登場する「世之介」が由来とのことです。 とにかく世之介の適当さが心地よい。何も考えていないように見えて、押さえるところは押さえる。 でも、周りに流される。 こんな友人が一人いれば、随分毎日が楽しくなりそうです。 私もサンバ踊って見たかったです。 読み終えた後も、どこかスッキリした気分でした。 なんせ、世之介は思い出の片隅の真ん中で笑っているのですから。 映画化もしていますが、ぜひ原作を読んでみてください。